まだ飲んだことがないので、今からその準備をします!
知ることから始まり、飲み方の想像を膨らませます。
シャトー・ディケムとは
“世界三大貴腐ワイン”をご存知でしょうか?
と言われています。
その中の1つであるソーテルヌ地区で、別格扱いとされているトップ・シャトー。
それがシャトー・ディケムです。
1855年のソーテルヌ地区の格付けでは、唯一の「特別1級」とされました。
蜂蜜酒への憧れ
ワインよりも先に出来た甘いお酒があります。「蜂蜜酒」です。
蜂蜜酒は実は人類最古のお酒と言われています。お砂糖がまだ普及していなかった時代、それに変わる蜂蜜はとても重宝されていました。
しかし、人工増加に伴い蜂蜜酒の量は不足していき、どんどん貴族の飲み物となっていきます。
ワインが誕生した後も、しばらくその甘美さには敵いませんでした。
貴腐ワインは、”蜂蜜の様なワインを造る”自然の摂理への挑戦でもありました。
混同されている誕生の逸話
貴腐ワインの由来について、
といった逸話があります。
同様の話しが、実はドイツやハンガリーの貴腐ワインでも存在します。
話しが混同されて伝わった上に、実際にはそのエピソードより前から貴腐葡萄について記録があったりするそうです。
明確な起源は不明でしたが、どちらにせよ初めは計算ではなく偶然だったはず。
甘口のワインという括りでは、ドイツが起源とする説が有力。
(寒冷地では発酵の途中で自然と酵母の活動が止まってしまい、これが甘口ワインを生む契機となった)
貴腐ワインはさらに”偶然”がっきかけとなり、各国で発展していった。
自然の摂理への挑戦し、結果的にまさに蜂蜜の様な香りがする葡萄酒を生むことができた。
人間の叡智が光ります。
シャトー・ディケムはどんな味?
私は残念ながらまだ飲んだことがないので、感想やコメントを調べて見ました。
べた甘さの全くない正に極上の上品な甘さ。アイス・ワインより数段スッキリとさせた甘さ。あたかも、高級羊羹を食べた時にお茶がなくても沢山食べられるのと一緒。口の中の甘さを洗い流す必要のない甘さと言ったら少しは伝わるでしょうか。(ろくでなしチャンのブログさん)
シャトー・ディケムには、単に甘さのみならず、甘味をべとつかせないほどに強靭な、酸味やミネラル感などの「旨味」がたたえられています。ことに酸味のしたたかさは、他のワインの追随を許さないほど際立っています。ただ甘いだけではなく、甘さと同じレヴェルの酸味や、旨味があるからこそ、それぞれの味わいが高いレヴェルで均衡し、円熟した旨味を輝かせるのです。(リーデル コラム髙山 宗東さん)
熟したパイナップルや蜂蜜、バターなど甘やかでコクのある濃密なアロマ。マンダリンオレンジやレモンピールなど柑橘系果実の爽やかさ、スパイシーなニュアンスが層を成して現れます。厚みのあるボディで、濃厚な果実味が余韻まで長く続きます。熟成により、そのポテンシャルの高さを証明するかのような円熟した味わいを開花させた、極上のエレガンスが堪能できる1本です。(エノテカ販売サイト コメント)
シャトーディケムの貴腐ワインは輝く黄金色で、ハチミツやアプリコットなどの芳醇な香り、濃厚な甘みを楽しむことができます。単に甘いだけではなく、酸味やミネラル感にも溢れ、奥深い風味を与えています。甘みと酸味、ミネラルの風味が素晴らしいバランスを取り、この上なく高貴な口あたり。(SAKE COMIさん)
普通のデザートワインでは太刀打ちできなさそうな、”高貴”な味なのでしょうね。
「高級羊羹を食べた時の様な~」という表現がとても想像を膨らませてくれます。
旨味とミネラルが豊富で甘みも強いと、通常なら美味しくても飲み疲れしてしまいそうですが、シャトー・ディケムなら良い意味で大きく裏切ってしまいそうです。
シャトー・ディケムの楽しみ方
シャトー・ディケムが本当の飲み頃になるまでには15~20年の年月が必要だそうです。時には100年の歳月を経ても全く色褪せることのない、まさに時代を超えるワインです。
そんな素晴らしいワインですが、実は6万円弱で買えたりします。ですので早めに飲んでしまうことも多いのではないかと予想されます。
できれば、飲み頃まで待って見たいものですが…
いざ飲む時の飲み方は!
- ワインだけを少しずつ飲んで楽しむ
- デザートと共に戴く
- フォアグラ料理に合わせる
- デザート・料理に使用する
- ブルーチーズ(最高峰であるロックフォールなど!)に合わせる
- 王侯貴族に倣って生牡蠣とマリアージュしてみる
材料もワインと格を合わせて、なるべく上質なもので楽しみたいですね。
感動は避けられないでしょう。
ペアリングを他にも挑戦するとしたら要素としては
- 甘みがある(ワインの甘み)
- 魚介類(豊富なミネラル)
- 塩っ気(豊富なミネラル)
- ねっとりとした食感、質感のもの(ワインの粘性)
- 油分(ワインの粘性と甘み)
- 濃厚な味(豊富な旨味、甘み)
日本の食材だったら、あん肝なんかもいけそうですね!
鉄板のペアリングは、デザート/チーズ/フォアグラあたりだと思います。
ただ、せっかく飲む機会があるなら”魚介”に挑戦してシャトーディケムの底力を感じて見てはいかがでしょうか。
飲む時のマインド
- 歴史と人、自然の力を感じて
自然のエネルギー、人間の努力が詰まったワインです。偶然が生んだ奇跡の味わいを感じながら頂きたい
おまけ
シャトー・ディケム、現在の筆頭株主は「シャネル」
1997年から、LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・エ・ヘネシー)グループがシャトーの株を購入し始め、1999年にはついに筆頭株主となる。
LVMHグループの傘下に入った。
現在の総責任者はシュヴァル・ブランと同じ
シャトーの総責任者としてディケムに関わっていたアレクサンドルが引退し、2004年5月からはシュヴァル・ブランの総責任者でもあるピエール・リュルトンが総責任者に任命され、現在に至っている。
貴腐=カビがついたまま葡萄を絞っている
水分を少なくする為に貴腐をつけているのに、水で洗ったりしませんよね。そのまま絞るのが正解だそうです。想像すると少し気が引けますが…
チーズのカビの様なもので、問題はないと聞きました。そのおかげで、複雑な旨味を持ったワインが出来上がっています。