台木用ブドウにつてちょっと深掘りして分かった事

3分!ソムリエの復習

ソムリエ試験対策に抑えたいところ

3大台木用原種それぞれの特徴
  • リバリア種…湿った土壌に強い、早熟性収量少ない 挿し木の際に根が出やすい、 石灰質土壌に弱い
  • ルペストリス種…乾燥土壌に強い、晩熟成、収穫量多め、石灰質土壌に強い
  • ベルランディエリ種…乾燥土壌に強い、石灰質土壌に強い、挿木の際に根が出にくい

試験対策的には以上でOKです。

「3大台木」それぞれ本当は台木として使えない!?

台木用ブドウにつてちょっと深掘りしてみて、分かった事があります。3大台木を覚えるのに一生懸命になっていて気がつかなかったのですが、3大台木は実際にはそのまま使用することはほぼ無いという事です。

それぞれの欠点を補い合う様に、ほぼ交雑して使用する様です。

教本には、

  • 3309
  • 101-14
  • SO4
  • 5BB

以上の4つの交雑種が紹介されていました。

台木用ブドウが使われる様になった理由

ここで台木ブドウが使用される様になった理由のおさらいです。

フィロキセラ対策のため
アメリカのブドウの苗木をフランスに持ち込んだ際に、フィロキセラを一緒に連れ込んでしまった。1863年に被害が確認された出来事です。アメリカ系のブドウにはフィロキセラの耐性があったが、ヨーロッパ系のブドウには耐性がありませんでした。またフィロキセラは、土の中のブドウの根に対する虫害のため、直接フィロキセラの幼虫に薬剤をかけることができず、対策は難航を極めたそうです。
フランス政府は対策調査委員会を組織し、モンペリエ大学の博士をアメリカに派遣した。
博士はアメリカ原産のブドウの、V.riparia  V.rupestris  V. berlandieri  の根に、強いフィロキセラ耐性があることを発見した。これらのブドウを台木とし、ヴィティス・ヴィニフェラの枝を穂木として接ぎ木した苗を植えることで、フィロキセラの被害は沈静化していった。

「3大台木」の特徴

3大台木用原種それぞれの特徴
強い土壌 熟成 収穫量 根の出やすさ
リバリア種 湿った土壌 早熟 少い 出やすい
ルペストリス種 乾燥/石灰質 晩熟 多め
ベルランディエリ種 乾燥/石灰質 出にくい
  • リバリア種

川ブドウ 河川の低湿地に自生していて根が浅い性質

  • ルペストリス種

岩ブドウ 岩の多い痩せた傾斜乾燥地に自生していて根は深く耐寒性がある

  • ベルランディエリ種

石灰岩土壌に生息していて、これも強靭で耐乾、耐石灰性がある

石灰質土壌や乾燥した土壌は、ヨーロッパのブドウ産地に多いためこれらの品種を交雑し、 良い性質をあわせもった台木の作出が行われた。

よく使用される、3大台木を使用した4つの交雑種
  • 3309…リバリアXルペストリス
  • 101-14…リバリアXルペストリス
  • SO4…ベルランディエリXリパリア
  • 5BB…ベルランテディエリXリバリア

同じ掛け合わせでも性質が少しずつ異なっており、土地や造りたいワインの個性に合わせて選定するそうです。

よく使われる台木の特徴

3309…リバリアXルペストリス

中程度の乾燥土壌に適している。穂木との相性は良い。樹勢は弱め。

発根良。重要な主要台木。

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3309の葉

101-14…リバリアXルペストリス

根は浅め、やや湿った土壌を好む、穂木との相性は良い

今後、注目、増植すべき優良台木。

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101-14の葉

SO4…ベルランディエリXリパリア

湿潤な粘度土壌を好む樹勢は強め。西ドイツのオッペンハイム国立ブドウ学校において選抜された品種でSelection Oppenheim No.4の頭文字をとってS04と命名された。近年ではフィロキセラ耐性が弱く、ヨーロッパで心配されているとのこと。

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SO4の葉

5BB…ベルランテディエリXリバリア

湿潤な粘土土壌を好む、樹勢強い。

コーベノレ氏選出。

ber_ripa_tele_5bb.jpg

5BBの葉

参考:uehara-grapes

おまけ

AXR#1アラモン(Vitis vinifera)Xルペストリス

1879年にリリースされた台木。穂木であるviniferaとの接木の成功率を上げるために、viniferaとrupestrisを交雑して作られた。フィロキセラ抵抗性が弱いことが知られていたがカリフォルニアで広く使われた。1980年代に「バイオタイプB」と呼ばれるフィロキセラの出現により、改植が余儀なくされた。

まとめ

台木用ブドウにつて深掘りして分かった事。

  • 大台木は実際にはそのまま使用することはほぼ無い
  • ワイン造りは生物学から
  • 生産者の知識に脱帽

先人の知恵と努力、自然の恵みを感じながら、ありがたくワインを頂こうと思います。

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